久しぶりに聴いた。
- アーティスト: eastern youth,吉野寿
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最高傑作は、衆目一致してこのアルバム。
- アーティスト: eastern youth
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踵鳴る。
おや?このライブ行ったぞ。襟の付いた可愛らしい洋服に見覚えがある。このアルバム発売前のライブ会場では「昔の曲をやれや!ボケ!」と客の怒号が響いていた*3けれども、この「踵鳴る」を掲げたライブでは落ち着いたものだったなあ(確か)。
そんなことはどうでも良いことで。ここまでにハイテンションでギターをかき鳴らし、狂ったように叫ぶのでは心筋梗塞にもなってしまうだろう、とあらためて心配になった。
http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20110828/1314482501
さて、中期の名盤、あるいは最高傑作。初めてこのアルバムを聴いたとき「ここでやめてくれ!もう続けないでくれ!」と必死になって念じたことが思い出される。
なぜか?あまりにも良い曲が続くので、駄目な曲が出る前にアルバムを閉じてくれ!という思いに襲われたということ。心配には及ばなかった。
始まりの緊張、そして始まりの予兆を孕んだ「夜明けの歌」に始まり、最後「素晴らしい世界」まで突っ走る*4。アルバムを聴き終えたとき、ほっとすると同時にアルバム構成の素晴らしさに嘆息した。
すなわち「踵鳴る」を経て、「おいおい、大丈夫かよ・・・」というタイトルの曲「ズッコケ問答」(佳作)をトリに飾り、前述「素晴らしい世界」の大トリで幕を閉じる。
たしかに、個々の楽曲については「夏の日の午後」*5、「いずこへ」*6、「たとえば僕が死んだら」*7に勝ることはできないかもしれない。しかし、アルバムを通して聴いたときの満足感は格別だ。
危ういバランスを保ちながら疾走するアルバム。いや、バランスなんてものは聴く者の後付けに過ぎず、奇跡の花が咲いたというべきか。たとえ一瞬の徒花かもしれないけれども。
−−−
そして再び「夜明けの歌」が始まる。
*1:他のアルバムでも荻窪の情景が歌われているが本作品ではより鮮明に歌われ荻窪賛歌(?)になっている。また某曲のPVでは荻窪近辺の住居まで特定可能な映像が使われているので有名。
*2:まだ「終期」がないので中期というのもおかしな話だが、このアルバムが少なくとも大きなターニングポイントになっているのはたしか。
*3:吉野応えて曰く「俺たちはジュークボックスじゃねえんだよ!引っ込んでろ!」。
*4:「素晴らしい世界」。ちなみにサッチモのカバーではない。
*5:アルバム『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』所収。彼らのブレイクとなった楽曲。ブレイクといっても極めて限定的なものではあったが。
*6:『孤立無援の花』所収。ブルースハープが使用された唯一の楽曲(たぶん)。超越的なベースラインに圧倒される。ライブに際してはフレットレス・ベースで演奏するという恐ろしい所業に臨んでいる。
*7:アルバム『口笛、夜更けに響く』所収。森田童子の同名曲のカバー。森田の申し立てによって同アルバムは廃盤になりプレミアムが付いている。