(補注)
再読本なんだけど、あらためて気がついたのは、おそろしいまでに精緻な心理描写。いや、心理を描写することによってのみならず、その仕草など客観視点からの造形を織り交ぜた表現がすばらしいということ。
<Twitterへの投稿の転載です>
北村薫「夜の蝉」#読了
「空飛ぶ馬」につづくシリーズ二作目。短編集。
一作目よりも<私>の心の機微が露わになっています。とくに表題作は、私と姉の微妙な関係性の中で、交錯する思いの描き方が精妙緻密。著者が男性だと判明して、びっくり仰天した読者がたくさんいたというのも頷けます。