しばらく前に読んだ。
- 作者: 真山仁
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ハゲタカ(下) (講談社文庫)
で、一作が終わり、
- 作者: 真山仁
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ハゲタカ2(下) (講談社文庫)
で、堂々と延べ4冊に及ぶハゲタカ世界二部作。で、顔面真っ赤にして読んだかというと、そういうわけでは、まったくなく、惰性で読み切ったというのが本音かな。ということで、わざわざ"感想文"を書こうとは、思ってもいなかったのだけれども、
というエントリを読んで、なるほど!と思い至るところがあり、少し書いてみようと思った。
まずは、当該エントリを横において置いて、まずは、私の感想を。
「ハゲタカ」といえば、私にとっては、NHKドラマで世に出てきた話であり、私は、そのドラマをじっくりと観た覚えがあるし、今後、観なおす事もあろうか、とDVDの皿に焼いた覚えがある(多分、今後、観なおすことはないだろうな)。
ドラマの配役では、柴田恭兵の好演、松田龍平の怪演等が非常に印象的ではあったが、ドラマ(物語)としての齟齬は、随所に現れていたし、その現実的な金融事情(スキームを含めて)は、やや非現実であった。
さて、本題である上記に掲げた4冊に及ぶ大作であるが、これは愚作に近い、というのが正直な感想。先にエントリとして書いた
http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20110715/1310731035
の方が、金融スキームに現実感があり、その対抗馬としての小説「ハゲタカ」は苦しいかな。
さて、上記に貼り付けたエントリを観てみよう。
実は今回、『ハゲタカ』を読んでいて、あの時代のめちゃくちゃさが思い出されてつらくなり、何度もページを閉じました。そうやって少し心を落ち着けないと、読み続けられなかったのです。
うむ、Chikirin氏とは、世代もズレていると思うし、私とは環境も違っていると思うので、この辺りは、個々の感受性によるといって良いかな。要するに、スルー。
Chikirin女史が、著者に会ったときのこと。Chikirin女史が、「あの時代、凄かったですよね!?」と聞きました。で、著者の応答。
「実は全然知らないんです。」と。バブル期は中部地方の小さな市でサツまわり(新聞記者)をやっていて、大きな事件としては宮崎勤事件や昭和天皇崩御を追っていた。バブルとは無関係の人生です。」と。
実は全然知らないんです。」なに、この開き直り。まあ、この応答に対して、Chikirin女史が「小説家の想像力はすごい!」と誉めそやしているけれども、私は、「なんだ、やっぱり現実を知らずに書いたんだ・・・、っていう思いをあらたかにしましたね。
まあ、貶すだけではなんなんで、著者がフリーになってから執筆した、こちら、
http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20110902/1314916744
で取り上げた物語は、まさに現場を取材して、書き上げた渾身の一作だと思いますね。