スポンタ通信を解体する前に、他のブロガーが、どのようにエントリを書いているか考察してみる。もちろん、この際、アルファブロガーを外すことはできない。
まずは、「R30:マーケティング社会時評」。以下のエントリを題材に考えてみる。
これは、実にR30氏らしいエントリである。
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まず、煽り文句から入る。
インターネットをバカにするのもいい加減にしろ。ふざけんな。僕だったらこんな仕事、7億円ぽっちじゃあ到底引き受けねーぞ。無茶言うなよ。
RSSリーダーには、テクニカルタームに縁取りされ、落ち着いた表題の下に、煽り文句が表示される。そこで、読者は「ん?ちょっと気になるなあ、読んでみようか?」と足を運ぶ。静と動で読者を呼び込むのである。また、「7億円ぽっち」という逆説的提示にも、「ん?」と思わせるものがあり、読者の視界に入ることを意識して書いている姿勢が窺える。RSSを意識した巧みな書き出しである。
続いて、記事へのリンクが貼られ、そこから考察が開始される。主題は、「官邸HP」で、比較対象が「社民党ウェブサイト」。後者が、俎上に載せられて、ブッた斬られる。さながら、寿司職人が海老を料理するかのような快刀乱麻な姿である。*1
しかし、ただ闇雲に斬りまくるのではなく、
バナー広告みたいなロゴ脇Flashはクリックしても微動だにしないわ
という笑いどころもしっかりと押さえる。読者サービスが巧い。読者が、「もう乱暴なエントリで疲れるなあ・・・」と思ったところで、ほんわかさせる。実に、巧みな演出である。
そして、最後は、
あーあ。どうでもいいや。しょーもないことに怒りをたたきつけちゃったかな。反省。
見事なR30節で〆る。ここも巧い。最後まで読み終えた読者は、R30氏が①心底「どうでもいいや」と投げ出している、②「どうでもいいこと」を書いたのだから詰まらぬツッコミは無しだよ、と茫然自失説、保険説、いずれであるのか吟味する必要に迫られる。すなわち、このエントリは、真面目に受け止めるべきなのか、あるいは釣りエントリと考えるべきなのか。そのような、読後の余韻を残しつつ、書き手は颯爽と立ち去る。
以上をまとめると、R30氏のエントリには、[ツカミ]⇒[考察]*2⇒[余韻]という一連の「型」が出来上がっているのである。まさに、マーケティングを活用したエントリ構築手法と考えられる。この「型」がある限り、[考察]部分に該当する所謂「ネタ」が読者の興味、関心の対象となったときには、その読者にとって「名エントリ」となるのである。
結論。「R30:マーケティング社会時評」は、確立された「型」から読者へメッセージを伝えようとするブログである。