けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 スティーブ・ハミルトン「解錠師」:海外文学、およびポケミスが爆発したのだ。

解錠師 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

解錠師 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

けろやん。メモ:スティーブ・ハミルトン「解錠師」:自分語りの感想文

自分語りばかり書いてたんだけど、大切なことを書いておこう。本作品の書誌である。
1.著者であるスティーヴ・ハミルトンの処女作は1998年「A Cold Day in Paradise」(邦訳「光の闇を越えて」*1。この作品が、「エドガー処女長編賞」および「シェイマス新人賞」を受賞。その他はWikipediaをみてね。
2.「解鍵師」(原題「The Lock Artist」)*2は、2010年に発表
3.同作品は2011年に3つの賞に輝く。「エドガー賞最優秀長編賞」「イアン・フレミング・スティール・ダガー賞」そして「バリー賞の最優秀長編賞」である。トリプル受賞である!まあ、なんのこったろ?な賞状を3つ授与されたようだ。
ここからが本題。日本での受容史である。
4.「解鍵師」は2011年12月にハヤカワ・ポケット・ミステリとして刊行。発表から2年弱で本邦に紹介された。
5.2012年末に「宝島社<このミステリがすごいベストテン>」および「<週刊文春>ミステリベスト10」のいずれにおいても第一位(海外編)に輝く。
ここ結構重要。いずれの賞も12年末での受賞である。刊行されてから1年。こういった賞は、決定近くに発表された作品に与えられるのが常である。1年前の作品が第一位を獲得したのはすごいこと。まあ、他に収穫がなかったのかもしれないけど。
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さて、ここで怖ろしい事態が発生したのである。

けろやん。メモ:ジャック・リッチー「クライム・マシン」(晶文社ミステリ):とりあえず芳醇じゃない。
この「二流小説家」。この間、コンビニに行ったら本棚に突っ込まれていた(ので人気本なんだろうけど)。でも、この本。腐ってもポケミスだぞ。昨今のコンビニは恐れを知らぬものと見える。というか、そういうコンビニの「進化」が私には怖ろしい。

ここで紹介したクソ本「二流小説家」に並んで、今回紹介している「解錠師」がコンビニの店頭に陳列されたのだ!わけわからん、「ダイエットできるヨ」本、「こうすれば仕事ができるようになるヨネ」本の横に、ポケミス*3の黄色い背表紙が燦然と輝いたのである!
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6.作品はポケミスからハヤカワ・ミステリ文庫に所収される。当然であろう。その初版日付は2012年12月15日。一年足らずで文庫化。さらにびっくりなのは、私の手元にある物の奥付を見ると、2012年12月21日に5刷となっている。おい1週間で増刷されているのだ。
村上春樹もびっくりではないか。ただし、この「5刷」に関しては、店頭をに並んでいる文庫本の奥付だとよくわからなくなっている。
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とにかく表彰状も含めてすごい小説なのだ。

*1:なんでこんな邦題になったのかしら?

*2:直球の邦題だね!

*3:前述したハヤカワ・ポケット・ミステリのことね。