けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 ふと口に出たときに思い出してください:イムジン河

ザ・フォーク・クルセダーズについては前に書いたね。

けろやん。メモ:YouTubeで関西の町を訪問してみた。
音楽の話。もう少し続けるかも。

続きというわけではないのだけどつながりということで書いてみる。引用文中の太字化は引用者。
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聴いて観た。

1曲だけDVDとしてパッケージされている。
さて、フェアウェル・コンサートということで、フォークルさよなら公演を収録した音源だと思う。しかし、Amazonのレヴューを見ると「さよなら公演」は別にあり、そちらもフェアウェル・コンサートという表題が付けられていてまぎらわしい。
でも、いろいろ調べたり考えてみたところ(曲目とか)上記に掲げたアルバムが、フォークル最後のステージだと思う。というか、ライナーノートにしっかりと記載されていた。

URCは膨大なライブ・テープを残しているが、当時からそのほとんどが陽の目を見ることがなかった。新結成*1の渦中、その未整理のテープから、幻とも言われた正真正銘のラスト・ステージ音源が発見されたのだ。

長くなったけれども、幻の正真正銘最後のステージ音源。しつこいけど引用する。

1968年10月17日 大阪フェスティバルホールにて

演奏日時等のデータ。当たり前だけど60年代の日本の音楽。60年代だぜ!日本の音楽だぜ!そして、驚くのは4つのバージョンで収録されている「イムジン河」(1つはDVD)。これについては、大いに後述する。
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さてステージの構成は、原始オリジナル5人組(2人は大学受験の勉強のため脱退とか端田宣彦が抜けたり戻ったりとか。Wikipedia参照)が冒頭に登場する。これについても、若干だけど後述する。
そこからが、フェアウェルコンサートということで、フォークルに所縁あるバンドたちが登場してお祭りコンサートになる。五つの赤い風船が「血まみれの鳩」、ジャックスが「時計をとめて」を歌ったらしい。
この別格の二組は良いにしても、高石友也「主婦のブルース」、岡林信康「くそくらえ節」はなんなんだ?なんで、こんなチンピラカス以下の人間が天下のフォークルのラスト・ステージに登場するんだ?
救いは収録された音源からはオール・カットされていること。聴きたくねえよ。でも「時計をとめて」は聴きたかったな。
さてさて。
前述したとおり本CD&DVDには「イムジン河」が4バージョン収録されている。どれも怖ろしいバージョンなんだけど、これについても、大いに後述する。
ちょっとびっくりして嬉しかったのは、ステージ最後に演奏された曲。「悲しくてやりきれない」。これ、オリジナル音源というかスタジオ録音*2を聴くとなんだか悲しくなる。
いや、文字通りで良いのだけど聴くのが辛くエネルギーが必要なんだ。しかし、本アルバム収録音源はなんか弾むような曲調になっている。
先に述べたフォークル所縁のゲストも参加して盛り上がっている。そういうこともあると思うけど、やっぱりフォークル最後のステージだから、知らないうちに力強くなったんだろう*3
ちなみに、「悲しくてやりきれない」は「イムジン河」を逆回転して曲想を得たという伝説。うむ。Wikipediaを信じるならば、若干の過程を踏まえてだけど本当らしい。誰かYouTubeでやってみてよ!
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さて、ここからが大いに後述するところの後述。先に述べた4つの「イムジン河」だ。ライナーノートから引用。

2002年は、フォークルに明け、フォークルに暮れた一年だった。1月31日にスポーツ紙により”「イムジン河」34年ぶりにCDで発売”という大スクープが飛び出し(中略)34年間、フォークルのメンバーをはじめ、数多くの識者が発売に向けて努力を重ねてきたが、結局は実現に至らなかったのである。

これ、私も鮮明に覚えている。ここまで大騒動になったことは知らなかったけど、CD屋に走り込んで購入した。カップリングが「悲しくてやりきれない」。「イムジン河」のカラオケも収録されていたと思う。ところが・・・。後述。
イムジン河」を辿ってみよう。Wikipediaから内容咀嚼して引用。

Wikipedia:イムジン河
1968年2月21日:発売予定→発売中止
2002年3月21日:34年の歳月を経て初めてシングルCDとして発売された。オリコンシングルチャートで最高14位を記録した。

上記、ラスト・ステージでMCのきたやまおさむが言う。「百何回も歌ってきたイムジン河ですが最後になります。この曲がふと頭に浮かんだらフォークルを思い出してください」と少し涙声になり曲が始まる*4
発売中止が1968年2月。ラスト・ステージが同年10月。したがって、ラスト・ステージが文字通り「最後」になり、私たち若い人間(若くないけど)が思い出すことはできなかった。そして、34年ぶりにオリコン14位に出現して世間を震撼させた。
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さて、蛇足かもしれないが上記アルバムに収録された「イムジン河」の4つのバージョンについて書いてみる。
まず1つ目。先に述べたがフォークルの原始オリジナルメンバーが歌うステージ3曲目。
MCきたむら「また懐かしい曲です。当然」と言うと絶妙のタイミングでギターのイントロが始まり聴衆が大きな拍手、そして声を出して盛り上がる。5人編成のせいかコーラスが重厚。そして落ち着いた演奏。
次。順番は前後するけど2つ目。34年ぶりに発売されたオリジナルバージョン。ボーナストラックで収録されている。おや?これって、私がCD屋に走り込んだんだ「イムジン河」だろうかね?妙に気持ち悪いエコーが被っていてびっくりした。酷いありさまだ。なんたる34年ぶりなんだ。がっかりだ。

(参考)けろやん。メモ:ザ・ビートルズ「モノ・ボックス」:人間味が投じられた絶叫(シャウト)!
その左スピーカーからおどろおどろしく残滓の如く発せられるヴォーカル・エコー。アルバムを冒涜蹂躙しているとさえ思う。

時期を考えると疑似ステレオ化処理が施されているんだろうな。詳しくは知らないけど。
3つ目。パッケージで収録されているスタジオライブっぽい映像。

けろやん。メモ:YouTubeで関西の町を訪問してみた。
こんな映像が観られるなんてインターネットはすごいね!

なんとなんと、ここで掲げたものと同じではないか!YouTubeすげえ!っていうかうぜえよ。せっかくパッケージ購入したもんな映像なんだぜ。でも、すばらしい映像なので、もう一度掲げておこう。

きたやま!とりあえずウッドベース弾けよ!恍惚感あふれて歌っている場合かかよ!でも、とても良い音楽映像なんで脱力だ。やっぱりいいね!モノクロ画像がすてきだよ。それにしても、ウッドベース弾けよ!口ぱくじゃなくて弾けぱくしろよ!
さて、最後の4つ目。フェアウェル・コンサートの最後から2曲目に演奏される「イムジン河」。加藤和彦が原語歌詞を歌いはじめる。ん?この原語歌詞バージョン(歌い出しだけど)が、既存「イムジン河」の中で一番良いのではないのか?とも思った。いや、これ本当。
続く日本語詩はつぎのMCから始まる。省略している部分もあるが書き起こしてみる。

もう百何回以上も歌い続けてきましたイムジン河です。本当に最後のイムジン河になってしまいました。この歌がパッと口に出たときにフォーク・クルセダーズのことを思い出してください。きっと、また僕らもこの曲を歌えるようになりたいと思います。では、最後のイムジン河です。

先に引用したMC「最後のイムジン河になります」という言葉通り、やや感傷的だけど加藤のこぶしを効かせた歌い声がすばらしい。そして、さびしく美しい曲が次第に力強くなっていく。
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私たちは1960年代に生まれていない。そしてフォークルなんてしらない。でも「また僕らもこの曲を歌えるようになりたい」そんな曲に出会いたい。そして、恥知らずかもしれないけど「また歌いたい」って言えるようになりたい。おこがましいけど、そんなイムジン河があってもいいじゃないか。
50年前の日本が誇る「イムジン河」です。

*1:端田宣彦の代わりに坂崎幸之助を加えたもの。コマーシャリズム、ここに極まれりな「再」結成。ただし、坂崎がフォークブームの立役者として様々な音源、映像を発掘したのは事実。そして、その過程で「イムジン河」の「再発売」に至ったと思われる。

*2:このへん調べるのが面倒。Wikipedia参照。

*3:ちなみにゲストが参加しているけれども安心してほしい。彼ら彼女らの声なりなんなりの音はほとんど拾っていない。

*4:「少しの涙声」については、当時のフォークルが、そもそも一年限りのバンドであると明言していたこと、およびコミックバンドとしての意識があったと思う。