けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 The Beatles『UNRELEASED MASTER』〜曲名「会ったとたんに一目ぼれ」。

聴いている。

UNRELEASED MASTER

UNRELEASED MASTER

11月9月22日に公開される映画がらみの"The Beatles For Sale"の流れみたいだね。映画はこちら。

からみは横において。
うむ・・・。まだ聴き込んでいないからなんとも言えないんだけど、資料性はともかくとして音源としてはどうなのかなあ?とりあえず輸入盤4枚組で1,883円。おっと「通常4〜5週間以内に発送します。」で人気は沸騰中みたい。
4枚のうちの一枚がこちら。
ザ・ロスト・デッカ・テープス

ザ・ロスト・デッカ・テープス

なんかわからんけど1枚で2,160円也。繰り返すけど4枚組1,883円の中に放り込まれています。こちら。

カネカネは横において。
アルバム(というか音源か)『The Lost Decca Tapes』は、ビートルズがDeccaのオーディションに参加して「落選した」ときのもの。詳しくは知らないけど、この音源自体は海賊版ですでに流れている(今回初収録の曲とかバージョンはあると思うけど)。
で、詳しくは知らないので詳しくは書かない(書けない)んだけど、ジャケットをみるとわかるように、ビートルズは3人組になっている。4マイナス3=1ということで、ドラムはリンゴ・スターではなく、前任のピート・ベストが叩いている。
この辺のロジックを言わずもがなで書いておくと、『Decca Tapes』はアルバムじゃなくて音源であるので、ジャケットは正規のものがないので、テキトーでオッケーなので、ピートを入れたものだと権利が難しくなるので、ピートなしの3人のビートルでいいや!ということ。
ピート!ピート!うるせえな。
ということで、ピート・ベストのドラムについて書き始めると、ドカスカと私がうるさくなってしまうので割愛。割愛するけど、この件に関してドカスカとうるさくなるのは私だけではなく、けっこうたくさんの人がドカスカとうるさくなる話題であることは、心の隅にとどめておいてくれたらいいな。
さて、『Decca Tapes』の肝はなにかというとこの曲だと思う。聴いてみてほしい。

これ今回の「発掘」以上にセンセーショナルだったビートルズBBC放送用のライブ録音音源。曲は「To Know Her Is To Love Her」。ドラムを叩いているのはもちろんリンゴ。リード・ボーカルはジョン。オリジナルはテディ・ベアーズ。
ジョンはこのようなガールス・ポップ・チューンが本当に好きだよね。そして本当に上手いよね。そして本当にビートルズになっているよね。うん。すばらしいよ。
ビートルズになっているとはどういうことか?
これについて書き始めると、やっぱりとどまることを知らなくなっちゃうんだけど、ちょっとだけ前提を書いておくと、私がビートルズビートルズであると認めているのは、基本的に3rd.アルバムまで(2016年9月1日現在)。ここがキーポイント。この件については、そのうちドカスカうるさく書こうと思っています。
そういう前提の上で、ビートルズになっている(ならしめている)要素というのは、彼らのハーモニー。ジョンが書いた曲や彼が持ち込んだ曲は、極めて見事なハーモニーになっているんだ。こちらもどうぞ。オリジナルはガールス・ポップ・グループのマーベレッツのヒットナンバー。

さて、『Decca Tapes』に戻る。繰り返すけどドラムを叩いているのはピート・ベスト。でも彼は叩いているだけじゃない。コーラスにも参加しているんだ。これが問題。
どうも彼はバス(低音)の歌声の持ち主であったらしく、ビートルズのハーモニーがドゥー・ワップ調になっているんだよね。それもベタベタの男性ドゥー・ワップ。
いや、私はそういう曲も大好きなんだけど、ビートルズがそれをやっちゃうとビートルズにならないわけで、まあそれは結果論なんだけど、リアルタイムでこれを聴いたDeccaの人たちがビートルズを評価しなかったひとつの原因って、そこらへんにもあるんじゃないかなあ?
そして「To Know Her Is To Love Her」のオリジナル(オリジナルタイトルは「To Know Him Is To Love Him」)。こちらを聴いてみよう。

どう?迫力が違うでしょ。貫禄勝ちでしょ。ビートルズ版が歌謡曲に聴こえちゃう。いや、ちょっと卑怯な引用なので断りを入れておくと、このバージョンはテディ・ベアーズのライブ音源で、実際の公式音源はビートルズ版以上に、メロウな歌謡曲調子になっている。YouTubeにもあるんだけど、文脈上、そちらの音源を引用しませんでした。ごめんなさい。
ビートルズはこの曲を公式録音として発表していない。BBCのセンセーションが沸き起こった時に「なぜなんだろう?」って素朴に思ったんだけど、ジョンは「いまはまだ敵わないなあ・・・」って思っていたんじゃないかな。ジョンはビートルズ解散後に、ソロで公式に録音する(このアルバムの曰く因縁には触れない)。
ロックン・ロール

ロックン・ロール

ただし、原曲がわからなくなるほど、ものすごいボイス・エフェクトをかけている。
『Decca Tapes』が(正式に)発売されて、考えてみると、この曲はジョンにとって大切だったんだろうなあ、だから迷走しちゃったりしたのかなあ、ってしみじみと思う。
(付記)
こちらの記事が参考になります。
半兵衛のブログービートルズ「To Know Her Is To Love Her」