けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 荻原浩「オロロ畑でつかまえて」:ライ麦畑なのではない。

図書館で借りて読んだ。

オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)

オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)

再読。
私がブログ世界に足を踏み入れて、最初にエントリらしきエントリを書いた、
けろやん。焼き芋。:書評:荻原浩「明日の記憶」〜削り落とされる記憶に宣戦布告!!
の著者である荻原浩のデヴュー作。なんでこの本に接したのかが不明。ショッピングピンクな表紙(単行本)だったからかな?
それにしては、クリスマスカラーの「ノルウェイの森」を古本屋から、かっぱらった状況がわからない。
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薄っぺらい本なので、だいたいは覚えていた。でも、ラストの言葉は覚えていたけれども、それに類するシチュエイションは忘れていた。でも名場面は、もちろん忘れるものか!
彼女を好きな彼。彼女から「この曲好き?」と問われて「もちろん好きだよ」。彼女から問われて「ギターで弾ける?」「もちろんさ」
彼は、ギターを弾けるわけではなく、まず小遣いをひっくり返してギターを買う。
指が血まみれになるまで「この曲」を練習して弾けるようになる。
そして、彼女に「この曲」をギターで披露する。彼女は、彼のギターが真新しいこと、また他の曲を全く弾けないことを見破る。でも彼女は彼の「嘘」を受け止める。彼の「嘘」は「嘘」でなくなる。
彼が血まみれで弾いた曲は、「嘘」ではなく「誠」になる。
これが小説の主題。嘘にまみれた広告屋になった彼が、村おこしの絵図を書いて・・・。
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ライ麦畑」ではない。あるいは四十路の村人の「ライ麦畑」かもしれない。ということは、いまテキトーに考えた。
でも、やっぱり「ライ麦」じゃない。
しんめりと湿っている大地を確固たる足で踏みしめて行く人々を描いた小説。
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分量としては、薄っぺらなんだけど「怪獣」を堪能してほしい物語だよ。