ネット速度から考えると古い話になりますが、東京新聞07年5月10日付(夕)に私の好きな歌が掲載されていました。*1その歌は、下記の歌であり、皆様も目にしたことがあるかと思います。
敷島の大和の国は言霊の佐くる国そ真幸くありこそ
この歌は、言霊という概念を語るときに、必ずといってもいいほどに言及される歌です。大和の国は、言霊が守ってくれている国ですよ、幸がありますよ、という意味ですね。そして、上記記事でも、次のように解説されていました。
歌など特別な形式で発した言葉は現実のこととなるという言霊信仰によって旅の安全を願う歌。その信仰は忌み言葉のような形で今も私たちの心に残っている。
ちょっと寂しい解説です。いや、内容がドウとかではなく、「忌み言葉のような形で残っている」というところ。すなわち、言霊とは、忌み言葉という負の言葉だけが、残っている(意識される)けれども、本来は祝詞に代表される「言葉で発すると正なる」言葉も含まれていたのです。
声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発するとよいことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事がおこるとされた。
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ここまでは枕。面白かったのは、上記記事の締め括りの言葉が、
今日一日よい日でありますように。
夕刊で締める言葉じゃないですよ!
*1:大浦誠士執筆の「万葉のこころ」。