けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 CDという物体の在り方について。

昨日の続き。

週刊エコノミスト2008.7.29号」の大特集「音楽がタダになる」中の小記事「苦境の名門レコード会社 CD販売はピークから半減 再編・淘汰は避けられない」(烏賀陽弘道(ジャーナリスト)/編集部」を読んでみました。

まずはデータを引用してみましょう。

CDの出荷金額は過去最高を記録した1998年の5879億円から9年連続で減り続け、2007年は3272億円とほぼ半分に縮小した。
(太字化は引用者)

減り続けている流れをみると、今後、CD出荷金額が増えることはなさそう。この後、レコード販売店であるHMVタワーレコードの変遷、音楽配信でのダウンロード数の拡大、インディーズレーベルの勃興などが述べられている。

それを踏まえて、

日本のレコード業界に影響を及ぼすもう一つの大きな要素は、CDレンタル店の存在だ。先進国でCDレンタル制度を認めているのは日本だけしかない。
(太字化は引用者)

太字化部分に驚いた。そうだったのか。

そして記事は、1984年に「解禁」されたレンタル制度について、当時はレコード盤からカセットテープへの録音が主体だったが、現在では音質劣化の少ないデジタルからデジタルへのコピーが可能になり、CDが売れなくなった理由の一つとして、常にやり玉に挙がる存在だと続く。

さて、ここからが面白い。三人の言葉を引用してみましょう(以下引用文中の太字化は引用者)。

ある大手レコード会社幹部は、「ネットでの音楽配信を始めた大きな狙いは、レンタルCD店潰しにあった」と打ち明ける。レンタルのユーザーは、手元に自分のCDがなくても構わない人たちなので、音楽をネットで配信すればユーザーをある程度取り戻せると考えたのだ。

コロムビアミュージックの廣瀬禎彦社長は、「人間にはモノへの愛着があり、好きなCDを手元に置きたい人は多い」とみる。

3強の一角を占めるレコード会社幹部は、「せいぜいCD7に対して配信3の割合。近い将来に両者が逆転することはないと思う」との見方だ。つまり、CDはこれからも音楽ソフトの主流であり続ける、との見立てだ。

以上は、レコード会社側からの三者三様の言葉であるが、三者三様ではなく、一様になんともバラ色の楽観論に浸かっているように思う。

私個人は、レンタルCD店は使わず*1音楽配信を利用したこともなく、「好きなCDを手元に置きたい人は多い」ということにある程度、賛同する。

だから、私個人を平均像としてCDを取り巻く状況を考えると、「CD7配信3が近く逆転することがない」という未来予想図も現実的に思われる。しかし、現状を考えると、CD-配信割合は、五分五分くらいになるんじゃないかな?

■追記
上記で記した大特集前に、「ネットで聞きました〜音楽ソフトを買ってる?」というグラフを中心にした記事がありました。主な結果を書いておきましょう。
・CD、ダウンロードともにほとんど購入しない:46.1%
・CD購入は減っているが、ダウンロード購入は増えている:11.2%
・CD購入は増えているが、ダウンロード購入はほとんどしない:5.1%

*1:いや、業界のことを考えてではなく、私の聴く音楽CDが置いていないから。