けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 唾棄すべき"妄想系":その1

このところ、「メディア・イノベーションの衝撃」(長いので「メデノベ衝撃」と略す)という本について、批判を繰り返しており、我ながらid:psycho78=サイコさんみたいな揚げ足を取るだけの小さなやつだなと思い始めていますが。

さて、

いや私のケツ写真の許可の無い加工を含めた転載について、確かに私思うところありますけど、県警までえっちらおっちら出かけるのもやぶさかじゃないっすけども。

「ケツ写真に落書きされたんだYO!」と警察に駆け込むケツさん。
ケイサツさん「なんであなたはケツを晒したんですか?」
ケツさん「いや・・・」

・・・いや、そういうことではなくて。

−−−
さて。

メデノベ衝撃における一つのテーマは、佐々木俊尚氏が主導している(ように読者の私には思える)「"妄想系"の情報発信はジャーナリズムではない」ということらしい。"妄想系"を唾棄しているようなのだが、それはネット内の情報発信に限定せずに手厳しい。

p.14から引用。

佐々木
(略)
たとえば、ライブドア事件に関しては、捜査に入った東京地検特捜部の情報は、地検に密着できる司法クラブの記者しか取材することは出来ないわけです。それでは、新聞の社会面に掲載されていた記事が正しかったかというと、アエラ大鹿靖明記者が『ヒルズ黙示録−検証・ライブドア』(2006年、朝日新聞社)で指摘していますが、かなりの間違いがあった。いっぽう(略)
(太字化は引用者)

引用の結語に「いっぽう」とあるように、話は別の話に移行する。すなわち、「かなりの間違いがあった」と述べる一方で、どこがどう間違っているのかを指摘しない。これは、唾棄すべき"妄想系"ではないのか?

そして、以前のエントリで述べた佐々木氏エントリである

ライブドアへの強制捜査にからんでのうわさ話

ライブドアへの強制捜査にからんで、「フジサンケイグループ東京地検にネタを持ち込んだのではないか」という噂が、マスコミの中を駆けめぐっている。
(略)
その噂話の出所は明らかではないが、
(略)
テレビ業界関係者の証言として、以下のような話もある。「年末のパーティーでフジテレビの役員に会い、『ライブドアとの提携を進めるのはたいへんなんじゃないですか』と水を向けたところ、フジテレビの役員は『われわれはライブドアへの監視の目はゆるめていないですからね』と話した。
(略)
真相はどうなのだろう。

断片的に引用したので、読者は原文エントリに当たって欲しいのだが、このエントリに続報はあったのだろうか?もしも、このまま放置していたのだったら、佐々木さん、あなたも"妄想系"の一翼を担っていませんか?

ブログという土俵においては、個人が発信するブログも、僕がやっていたホットワイアードブログ連載も同じはずだと思っていたのですが

とも「メデノベ衝撃」の中で述べているじゃないですか。

続いて、p.15から引用

佐々木
(略)
ライブドア事件に関していえば、ニッポン放送株を取得して脚光を浴びる以前から、世の中を変える"パラダイムの転換"のようなものがあった。ところが、日本のジャーナリズムは、どうしてもそこには目が行かずに「堀江が暴力団とつながっていた」とか「結局あいつらは金のために裏でやってたんだよ」という話に落とし込むことで満足してしまう。
新聞やテレビ、雑誌で報道されているライブドア事件の表層だけみて、その表層から、この事件が本当にわれわれの人間社会の経済や歴史にとって何を意味するのかという問題をうまくすくい取って分析する、というのも立派なジャーナリズムではないでしょうか。

まあ、個人的に論旨には賛成なんだけど、佐々木氏は、所謂「ライブドア叩き」が個人的に気に入らず、意図的か本能的か分りませんが、ジャーナリズムを論じる著書で例示している気がする。

ライブドア叩き」への反論。例示するには、やりやすいネタではあるのだろうけれども、ライブドアを礼賛していた佐々木氏が、それをやると非常に見苦しいですよ。ライブドアに苦言を述べていた大鹿記者を槍玉に挙げるとかね。

なんか、ダラダラと書いてきたけど結論。ジャーナリズムを論じる書籍内で、"妄想系"なる情報発信を否定しながら、妄想系と自らの自説を展開している佐々木氏なのではないか?あ、これ"妄想系"ですので、あしからず。