読書経緯:所蔵
書誌情報:1981年 太陽企画から刊行
<感想>
大沢の第二長編(デビュー長編は「標的走路」)。
主人公の人物造形よし。
ただし、脇の人物がいまひとつ。初期大沢の限界か。
あるいは、主人公ただ一人の物語であることの強調なのかもしれない。
構成は、現在ー過去ー現在。冒険小説の一つの定形に則っている。
ただし、濃淡が薄く、ジェットコースターに乗りっぱなしの感がある。ようは濃すぎる。
張り切って詰め込み過ぎたか?
果ては書きたいことがありすぎた初期鳴動か?
評価は4/5。
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なお、私が所蔵している集英社文庫版は、1991年11月25日第1刷だが、「新宿鮫」でブレイクした直後ということもあり、本作品の解説を横にうっちゃって、「新宿鮫」についての語りを放言している。まあ、これはこれで資料性があると言えるかもしれないが。