読了日:2021年3月28日(日)
読書経路:所蔵
書誌情報:1993年10月 読売新聞社
<感想>
以前、読んだときは、覚醒剤中毒のグロテスクな描写に辟易したが、今回の読みではあまり気にならなかった。
本作品のポイントは、舞台が地方財閥という設定とヤクザの手練手管の妙に尽きる。この二つのギミックによって、著者大沢は乾坤一擲の一発勝負に打って出る。結果はどう出たか?
大沢は、本作品で第110回直木三十五賞を受賞し、そのキャリアにおいてひとつの頂点を迎えることとなったのである。
なお、光文社文庫版では、大沢本人による「新宿鮫との出会い」と題するあとがきで、シリーズ第一作「新宿鮫」の誕生秘話が大きく語られている。
評価:4/5
(以上)