けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 佐渡裕/ケルン放送交響楽団:ベートーベン交響曲第9番ニ短調Op.125「第九」

「第九」を聴きに行ってきました。私の中で年末の催し物になっています。
えろやん。メモ(2013年12月29日):第九。チンドン屋だっていいじゃないか!むしろそれがいいじゃないか!
けろやん。メモ(2011年12月31日):ベートーベン交響曲第9番ニ短調Op.125
これらのエントリは、いろいろ参考になるところが多かったので、今回のデータもメモしておきましょう。2014年12月17日(水)NHKホール 19:00開演 3階 舞台向かって左の端っこ。値段は8,000円。
佐渡裕指揮ケルン放送交響楽団他。開演から30分くらい佐渡豊による「第九」の聴きどころなんかの話あり。こんなところかな?
あとは本文で。
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佐渡裕って売れっ子で、世界中を飛び回って演奏活動を行いながら、「題名のない音楽会」でホストを務めクラシック音楽の啓蒙に励んでいる人。

佐渡裕 佐渡の第九 兵庫熱狂ライヴ! [DVD]

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この音源は、とても熱い指揮をして楽団を引っ張るんだけど空回りしている。

世界各地のオーディションで選ばれた腕利きのメンバーが結集した

話が長くなるので「腕利き」には突っ込まないんだけど、世界各地から集まった楽団員をまとめ上げるのは難しいのだろうなということを実感。
さて、今回の演奏会。

佐渡とケルン放送響の出会いは、2011年3月11日の東日本大震災で日本のみならず、世界中が茫然冷めやらぬ3月29日。佐渡はケルン放送響の呼びかけに迷いながらも現地に赴き「第九」を歌い上げる。

あれほど使命感を持って指揮したことはない。

そんな佐渡裕とケルン放送交響楽団が満を持して「第九」を日本で演奏するのが今回の年末ツアー。以下、感想文。
1楽章からケルン響が見事なアンサンブルで歌い始める。正直、背筋がぞくぞくした。私の大好きな第2楽章のティンパニ。期待していた一発目はいまいちだったんだけど、その後の「ティンパニ協奏曲」は盛り上がる。
ちなみにオケの配置が変則的だった。舞台向かって右手にティンパニ、左にパーカッション、そしてホルンという変則的なもので、左手後方にいた私のためにあつらえたような配置だ。
そんななかでの「ティンパニ協奏曲」(第2楽章のことね)は絶妙。熱くなって叩きまくるのではなく軽く叩いてた。しかし響き渡るところは響かせ、短く切れるところはティンパニを身体で抱え込むようにして止める。
第3楽章も見事。弦と木管群が美しい旋律を奏であげる。中でも木管群がすばらしかった。このあたりは、指揮者が誰だろうと関係なかったんじゃないかな。
第4楽章。バスが朗々と歌い始める。これがすごかった。もちろん譜面なんか持たず体を揺らして、腹の底からというよりも体の底から歌う感じ。この人、アンドレアス・バウアー。注目ね。
そして、最後に4声が終わり、オーケストラはアッチェレランドに突入。ある意味「第九」の音源はこのアッチェレランドで評価が決まると言っても過言ではない。

ベートーヴェン:交響曲第9番

ベートーヴェン:交響曲第9番

名盤と言われて久しいが、フルトヴェングラーをいくら持ち上げる通な人間でも、実際に会場で聴く音楽には敵うまい。佐渡は見事にオーケストラをまとめ上げて、完璧なアンサンブルでアッチェレランドを鳴らす。オケと佐渡が一体化していた感じ。
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さておき「第九」ってすばらしい曲だね。私はスコア(総譜)を文字通り押入れから引っ張り出して、CDを聴きながらなぞって予習していった。でも、こんなの邪道かもしれない。一期一会。
(参考)
けろやん。メモ(2011年12月31日):中川右介「第九」(幻冬舎新書):歓喜と鎮魂、そして祈りの歌
けろやん。メモ(2011年12月22日):第九乱舞