けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 中央公論Adagio2008/1月:笑顔が幸せ気分を喚起する

本ではなくて、フリー・ペーパー。

http://www.adagio-tokyo.com/

特集は尾崎豊から1980年代、あるいは団地文化を考察するという記事。尾崎豊自体には、とりわけ思い入れがあるわけではないのだけれども、記事は面白い。

まず、豊の兄が著した本からの引用の引用。

『原っぱ』は僕が小学五年生のときに、突然、『公園』に変えられてしまった。たいして広くない土地の中央にすべり台が置かれ、さらにジャングルジムやブランコなどが置かれた。(略)豊が小学一年生になるときは、原っぱを中心とする子供集団はなくなっていたと思う。

1965年生まれの尾崎豊が小学一年生となると大体1970年代初頭の頃だろう。私はギリギリ原っぱ世代、というか原っぱで遊んでいたな。ジャングルジムって嫌いだ。

『15の夜』『十七歳の地図』はTDL(東京ディズニーランド)が日本に上陸したこの年に生まれた。(略)高度情報化社会という言葉がマスメディアを賑わせ始めたのも83年前後からだ。情報は生活の隅々に入り込むことで消費を急激に拡大する役割を担っている。

この辺りは、尾崎豊からかけ離れて暴走し始めている気がするけれども、豊の歌にはそういうような色合いがあるのかな?という疑問は、横において、そういう時代も在ったなあ、と感慨深かった。高度情報化社会(笑)。

情報が消費を喚起する。

これは、現在も、あるいはいつの時代にも通じるテーゼ(お約束)だろう。実際、「中央公論Adagio」はフリーだけど、不動産広告が掲載されている。まあ、それも必要な「お約束」で、もちろん異論はないけれども、実際、読者が「消費を喚起」されるかは疑問。

余談。電車内で当該ペーパーを肩を寄せ合って、眺めている老夫婦を見かけた。ペーパーは、尾崎豊オンリーではなく、町の紹介、散歩コースなんてのも紙面を彩っているから、老夫婦さんたちは、「今度は、この辺りでも散歩してみようか?」、「暖かい春が待ち遠しいわね」なんてな話をしていたのかもしれない。二人から滲み出る笑顔が印象的だった。