けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 新書について1:ブーム、ブーム、ブーム♪

関川夏央「白樺たちの大正」の中に、大正期は本を読む大衆が芽吹いた時代であった、というような一節があった。そして、多数の読者を得た作家たち、例えば昭和初期の円本の執筆者の印税収入は、現在の貨幣価値に換算して1億円にも上ったという。

そこは、凸が凹に嵌った素晴らしい世界であったのかもしれない。しかし、群がる人間というのはいつの世でも存在しており、「作家バブル」というものも発生した。書き手の余剰である。需要と供給のバランスが崩れたか、どうかは知らない。

さて平成の今、新書がブームであるとか、バブルであるとか言われている。しかし、そこで、嘆いてはいけない。流行の楽観主義である。読者である私たちにとって、選択肢が膨大にあるということだ。カスとクズの間に光るブツがあったりする。

それをマウスイヤーの流通速度に遅れることなく、セッセと見つければ良いのである。現在の情報は、ストックではなくフローである*1と割り切ってしまうのだ。

だがしかし、最近、創刊されたアスキー新書http://shinsho.ascii.co.jp/は、どうなのだろうか?「グーグル最新検索術」という一冊を購入したのだが、まず紙がボロイ。蛍光ペンでマーカーすると裏に透けて見えてしまう。まあ、その辺は、「フローの情報」だから、我慢しようよ、ということで良い。しかし、まえがきの誤植はなんとかならないか?

グーグルが提供する検索サービスを入り口に、いやま仕事や生活に欠かせなくなったグーグルの活用術を満載しました。

書き捨てブログの話ではない。バブル。現場が、追いついていない状況にあるのでは?と思ってしまった。

冒頭の本の一節に、大正期バブルのエピソードが掲げられている。一例として挙げるならば、衣料のボタンを糊付けで済ませて輸出して、大儲けする会社もあったらしい。そして、海外における日本製品への不審の念は、所謂「高度経済成長期」まで払拭されなかったという。

<参考>
1927年革命──円本の登場と岩波文庫の創刊

*1:スポンタ氏のコメントから想起した言葉。