まず、白滝と大根は外せない。汁の味が染み入る両者で、おでんの勝敗は決する。次。卵、こんにゃく、ちくわぶ、ああ、ツミレは外せない。特にツミレ。これは、汁ではなくて、具の美味さが勝敗を決する。しかし、この時点では、「まず」述べた二品をアテにビールを飲んでいて、具の美味さの勝敗なんて、遠くの果てに行ってしまっている。
と、偉そうに書いたけど、部屋で一人おでんをしたことはないなあ。一人鍋は日常茶飯事、一人鍋奉行を演じる私だけれども。野菜がないから、どうも敬遠してしまう食、というか私はエネルギー補填のために日々食する貧しい人間なのかもしれないなあ。
と暗くなる前に、イカ団子なんてのを入れてみるのも乙ですよ。乙の人乙。それにしても、店で食べるおでん、セブンイレベンの調理済みのおでん。なんで、大根にあんなに味が染みていて、切なくなるのだろう。美味しいよね。部屋で、大根を煮ると、失敗して、ウサギさんになったように、カリカリ芯の残る大根を齧る自分の姿のはかなさよ、って思う。
