けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 岩国高校vs.健大高崎:貫かれた愚直


少し前(8月13日)になりますが、残念ながら岩国高校が一回戦敗退になりました。甲子園の話です。私が岩国高校を応援する理由はこちら。
けろやん。メモ:熱かった岩国旋風!(追記あり)
さて健大高崎戦。岩国が勝ったときには「勝敗を分けたのはこのプレーである」と書こうとしていたのですが負けてしまったので書けなくなりました。それでも書いておきます。
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私は打撃戦が好きだった。過去形。齢を重ねたからか、最近は送りバントが好きだ。変な話かもしれないけど送りバントが好きだ。
送りバントには色々な形がある。初球から決めてリズムよく次の打者にバトンを渡すバント。ヒッティングを織り交ぜ最後に決める送りバント。でも私が一番好きな形はスリーバントで決める送りバントだ。
岩国高校が2回裏に魅せた送りバントは、私の心に響いた送りバントである。
高校野球 − 一球速報(健大高崎―岩国):朝日新聞デジタル
1アウトからランナーを二塁に進めるための送りバント
相手チームの三塁手は猛ダッシュ(チャージ)で打者に迫りくる。キャッチャーミットにボールが収まったときには、テレビの画面に三塁手が映し出されるほどのチャージ。この決めた守りも見事だった。
しかし、そんな状況下において、打球を一塁側に転がして送りバントを決める。そして次の打者が必死なる「犠」打に答えてタイムリーヒットを放つ。
ポイントは2点。その1。相手チーム三塁手の猛チャージにも関わらずバットを振るそぶりすら見せずに決めたこと。普通なら一球くらいバットを振って、守備をけん制するものだろう。しかし微塵も打つ気を見せなかった。
その2。前述したように1アウトからの送りバントであること。バントを成功させても2アウトである。勝機は残りの1アウトしかない。打者1人に賭けたバントである。そこまでこだわった犠打なのだ。
試合結果は健大高崎の勝利に終わる。試合前の選評で言われていたことだが、彼らの持ち味は機動力。すなわち塁上を走りまわる攻めだ。そして、彼らは盗塁を重ねて持ち味を存分に発揮し勝ち抜いた。
それに対して岩国の持ち味は送りバントだ。試合には敗れたが、彼らは存分に持ち味を発揮した。愚直なまでに自分を殺した送りバントで。
こういう試合は、野球でしか味わえない醍醐味である。