メモ:下記に引用したエントリがはてなトップに出てきた2012年9月20日に、伏線の妙なる小説をピックアップした。三津田信三について調べるために中断。今回再開アップ。
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伏線の回収にゾクゾクする…日本の小説7選
選んでみた。
1.三津田信三「厭魅の如き憑くもの」
- 作者: 三津田信三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/03/13
- メディア: 文庫
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- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 1971/07/14
- メディア: 文庫
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童謡物は連続殺人*2が付随していることがほとんどだが、なぜに童謡が提示されるのかが読みどころ。本作品は、みごとに動機を回収している。ちょっと「伏線の回収」からは外れちゃうかな?
3.坂口安吾「不連続殺人事件」
たった一発の伏線が読者にカタルシスな世界に導く作品。
4.原�咸「愚か者死すべし」
こちらは、たった一発の銃声が伏線となり、読者を混迷*3の世界に導く作品。
けろやん。焼き芋:原�咸「愚か者死すべし」〜ハードボイルドの極致を堪能しようぜ!
で、この人どこに行ったの?
5.有栖川有栖「双頭の悪魔」
- 作者: 有栖川有栖
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/04/21
- メディア: 文庫
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すなわち1本ごとに伏線をめぐらせ、それを回収するという過程で少なくとも3つの精緻な伏線と回収が提示される。
もちろん伏線はこれだけではない。3本の「読者への挑戦」が伏線となり、その回収されたとき本を閉じてしまうのがもったいなくなる名作。ちなみに「青春モノ」の趣がある。とにもかくにも本格推理である。これ、どこかで書いた。
6.バークレー「第二の銃声」
- 作者: アントニイバークリー,Anthony Berkeley,西崎憲
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1994/12/01
- メディア: 単行本
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7.麻耶雄嵩「翼ある闇」
- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07/13
- メディア: 文庫
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すなわち、伏線回収に主眼を置いた作品ではない(と思う)けれども、衒学的な伏線でミッシングリンクが形成される。読者たる私たちは、闇が翼を広げるように想像力が拡充される作品。
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と、イロエロと紹介してきたけれども「伏線回収」は、作品を読む人にとっては非常に魅力的な「素材」であることはたしか。
しかし、ここまで紹介した作品の卓袱台をひっくり返すわけではないが、個人的には伏線の回収それ自体にはあまり魅力を感じない。
すなわちミステリの醍醐味はそれだけではない。本音を投じるならば、極上の伏線回収モノについては、極上の伏線回収が必須であると思っている。
すなわち伏線回収に主眼を置いてカタルシスを得られる作品は稀であると思っている。
私論であるが、プロットの妙あるいは勢いであるとか、作品の舞台あるいは雰囲気、これらが作品に寄与して、はじめて伏線モノ」が生きると思う。
上記紹介作品から選ぶとすると「2、5,6」が伏線回収モノの傑作であることはもちろんのこと、他の要因が作品世界を昇華させたものであると思う。