けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 三津田信三「水魑の如き沈むもの」(原書房)〜フーダニットの喜び

先日読了。

水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ)

水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ)

刀城シリーズの最新刊で、2009年12月刊行、今は2010年1月。ということで、読書の時流にノリノリな私である。

当該シリーズは、民俗学的ケレンを配しての本格ミステリというのが最大の売り物なのであるが、本作はどうか?というと、うーむ。

本格ミステリとしては、最後の最後のフーダニット、フーダニットの連打にやや打ちのめされかけたが、ジャブのラッシュの感否めず。ケレンとしての民俗学としては、これはもう、こっちがフックを返したくなるような体たらく。

筆者である三津田信三。過去にも毀誉褒貶が投じられていた。投じていたのは、私であるのだけれども、こういう感じ。

http://d.hatena.ne.jp/kerodon/archive?word=%bb%b0%c4%c5%c5%c4%bf%ae%bb%b0

結構、波を感じる作家。本作に戻れば、最後のフーダニットの勢いとラストの爽やかさを鑑みて、佳作というところかな。あと、巻末の「主な参考文献」は充実している。