けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 関川夏央「「坂の上の雲」と日本人」(文春文庫)

「坂の上の雲」と日本人 (文春文庫)

「坂の上の雲」と日本人 (文春文庫)

書店で平積みになっていたのを目にして購入。放って置くと積読本になりそうなので、すぐに読み始めた。

帯には、

NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」2009年11月放送開始

とあり、ドラマを観る前に読んでおくと、ご利益がありそう。もちろん、司馬遼太郎坂の上の雲」を読破したあとに読むのが一番だと思うな。

本書は、大著「坂の上の雲」を切り口として、明治という時代を解題していく。その中心に置かれているのは日露戦争

正直、日露戦争に対して興味が薄い私にとって、一部、延々と続く記述にうんざりした。例えば、バルチック艦隊の東進経緯とか。

しかし、明治時代についての記述は端的でわかりやすい。引用してみましょう。

「偉大な明治」といういいかたは明治末にはすでに一般化していました。それはおもに日露戦争後の弛緩ぶりを戒めるときに使われました。講和の翌年、明治39年には時代の空気はもはや大正に移っていたのです。そしてそれは大正、昭和と続く「大衆の時代」、「個人の成功の時代」の幕開けでした。すなわち「現代」の発端でした。

明治維新から疾風怒濤の10年を経過して、視線は日本国外に向かい国力の充実を果たしていく。そして、大正という絢爛たる時代への契機の一つが日露戦争なのでしょう。

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・・・うむ。どうにも気の入らない読書でした。関川夏央については、過去にも書いていますね。コチラです。

http://d.hatena.ne.jp/kerodon/archive?word=%b4%d8%c0%ee