- 作者: 関川夏央
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/10/09
- メディア: 文庫
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帯には、
とあり、ドラマを観る前に読んでおくと、ご利益がありそう。もちろん、司馬遼太郎「坂の上の雲」を読破したあとに読むのが一番だと思うな。
本書は、大著「坂の上の雲」を切り口として、明治という時代を解題していく。その中心に置かれているのは日露戦争。
正直、日露戦争に対して興味が薄い私にとって、一部、延々と続く記述にうんざりした。例えば、バルチック艦隊の東進経緯とか。
しかし、明治時代についての記述は端的でわかりやすい。引用してみましょう。
「偉大な明治」といういいかたは明治末にはすでに一般化していました。それはおもに日露戦争後の弛緩ぶりを戒めるときに使われました。講和の翌年、明治39年には時代の空気はもはや大正に移っていたのです。そしてそれは大正、昭和と続く「大衆の時代」、「個人の成功の時代」の幕開けでした。すなわち「現代」の発端でした。
明治維新から疾風怒濤の10年を経過して、視線は日本国外に向かい国力の充実を果たしていく。そして、大正という絢爛たる時代への契機の一つが日露戦争なのでしょう。
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・・・うむ。どうにも気の入らない読書でした。関川夏央については、過去にも書いていますね。コチラです。