- 作者: 船戸与一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/06/01
- メディア: 単行本
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感想は、イマイチかな。そこで、なんでイマイチなのかを考えてみた。舞台背景として、満州国が「建設」され、満州帝国と名を変えた時代を扱っている。この辺りの歴史的知識(というほど大袈裟ではないけれども)をある程度持っていること。で、その知識をなぞるように小説が組み立てられている。
その組み立て方が、やや乱暴。社会風俗を断片的に挿入してはいるのだけれども、筋として現実の歴史があり、その説明がくどく感じたな。特に、日本国内(内地)の政治情勢の説明部分。そういうわけで、ちょっと中だるみを思わせる第四作目。
それにしても、このシリーズはどこまで(歴史的に)続くのだろうか?もしかして、「満州帝国」消滅まで語ってくれるのだろうか?だとしたら、嬉しい。歴史としての「満州帝国」史としては、数々の書物があるけれども、そのような歴史書にはない「物語」が小説として語られるのは、小説の魅力だしね。