けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 船戸与一「炎の回廊」〜炎が不完全燃焼かな

炎の回廊―満州国演義〈4〉

炎の回廊―満州国演義〈4〉

待望の「満州国演義」、あるいは「満州国クロニクル」シリーズ第四作目。書店で肉厚のブツが平積みされているのを発見して、狂気乱舞して購入して読了したのだけど・・・。

感想は、イマイチかな。そこで、なんでイマイチなのかを考えてみた。舞台背景として、満州国が「建設」され、満州帝国と名を変えた時代を扱っている。この辺りの歴史的知識(というほど大袈裟ではないけれども)をある程度持っていること。で、その知識をなぞるように小説が組み立てられている。

その組み立て方が、やや乱暴。社会風俗を断片的に挿入してはいるのだけれども、筋として現実の歴史があり、その説明がくどく感じたな。特に、日本国内(内地)の政治情勢の説明部分。そういうわけで、ちょっと中だるみを思わせる第四作目。

それにしても、このシリーズはどこまで(歴史的に)続くのだろうか?もしかして、「満州帝国」消滅まで語ってくれるのだろうか?だとしたら、嬉しい。歴史としての「満州帝国」史としては、数々の書物があるけれども、そのような歴史書にはない「物語」が小説として語られるのは、小説の魅力だしね。

■参考:http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20080310/1205151834