けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 歩く足

ちょっと古い記事。日経新聞、07年3月15日付夕刊の「人間発見:山で育てた不屈の闘志④」という連載記事で、登山家の芳野満彦氏が語っていた。

(なぜ山に登るのか、という問いに)
「そこに希望があるからだ。だから、僕は、涙して歩く」

背景を考えると考えさせられる。芳野満彦氏は、たしか高校時代に冬の赤岳山頂で遭難し、友人を亡くし、自身も凍傷で足の指を切断した。しかし、その後、本格的な山行が始まる。例えば、

そのマッターホルン北壁登頂の様子が上記記事に記載されている。

七歳年下の二十七歳と若く体力がある渡部君がトップでほぼ垂直の千二百メートルの氷の壁を蹴散らして登っていく。もの凄い体力が必要だった。(略)これまでずっとトップを引き受けてくれた渡部君が、あとニ、三十メートルというところで、「芳野さん、疲れたから代わってください」という。少し言い争ったが、うれしかった。日本人のだれもなし得なかったアルプスの三大北壁の一つの山頂に達したのだ。二人とも後から後から流れ出る涙をとめることができなかった。

その一週間後に、渡部(恒明)氏は、アイガー北壁で墜死してしまう・・・。

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・・・水晶岳のヘリコプター墜落事故のニュースをテレビで観て、ふと上記記事のことを思い出しました。