けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 負けることの晴れ姿

楽天田中将大が負けた。
楽天・田中、無敗に幕 今季32試合目「力のなさ…」
ざまーみろ!

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私が行きつけになる店は、どんどん潰れていくという話を前に書いた。私が応援しているチームは、私が応援に行くと負けるという話もある。具体的には、神宮球場阪神タイガースを応援すると9割方負けた*1
そういうわけでかしらないけれども、私がテレビを点けた瞬間、田中が打ちこまれている映像が飛び込んできた。投げる球すべてが、おもしろいように打者のバットに吸い込まれていく。
今シーズンの田中の神がかりぶりは聞いてはいたが、彼の投球を観たのは初めてだ。とても神がかりには見えなかった。配球も理解しがたいところがあり、なぜ彼が無敗でシリーズに乗り込んでこられたのか不思議だ。
神がかり。神さまはそんなに何回も天から落ちてこないだろう。だから今シーズンの田中神話は、田中の神話であり、神の田中なのではない。田中はあくまで人間だ。
ざまーみろ!
私は、一年間無敗なんて神をも恐れぬ所業を見たくなかった。たこ殴りに打たれている彼の姿は爽快だった。歯を食いしばり、マウンドを踏み荒らし、やり場のない怒り、あるいは焦燥で挙動不審になっている姿。
そして、そんな姿がお茶の間で流れているという現実。
昨日の田中の負けは、大きな意味があったと思う。本人の成長にとって。負けないままシーズンを終えるよりも、たった一回の負けが大きな糧になったにちがいない。
そんなこと、私にはまったく興味がない。
神話は嫌いだ。ドラマが好きだ。人間が好きだ。誰一人としていない孤独のマウンドで、晒しものになる姿。これは神もくそもない。まったくもって人間の姿だ。
私は、田中の「晴れ姿」を5分間観てテレビを消した。

*1:これ本当。