けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 ネット宣教狂想曲:一発の『いいね』弾頭の破壊力

ザ・タイマーズ「争いの河」
大人たちが言い争ってる
社会や 文化 経済で争ってる
その間に 目的を持った奴が
ちゃくちゃくと準備をしてる
(チャクチャク チャクチャク チャクチャク)

ネット選挙について以前書いたね。
けろやん。メモ:ネット選挙法案成立へ:二次元の鮮明、あるいは襟元の処理について。
私の預かり知らぬところで怖ろしいことがチャクチャクと進んでいるみたいだ。

「いいね」の大票田 ネット選挙狂騒曲(ルポ迫真)
4月26日、音楽事業のエイベックス所属の歌手、伊藤洋介(49)が参院選比例代表候補の選考のため石破との面接に訪れた。歌手といっても知名度はそれほど高くない。自民党が重視するのは伊藤自身の知名度ではなく、伊藤を応援する著名人のネットワークだ。
(太字化引用者)

おや?ここでブツ切りだ。続きは有料会員になってからね!ばかやろう!って怒るところなんだけど、有料会員になった私なので続きを読めるんだ。以下、咀嚼して書く。
知名度のない伊藤だが、同じくエイベックスに所属している浜崎あゆみからの応援の内諾を受けている。
これ、すなわち浜崎経由で80万人に自らの主張を発信できるということ。いや主張と同時に「伊藤」という名前を80万人に売り込むことができる。
私自身も理解できない部分があり、分かりにくく恐縮なんだけど「浜崎が『いいね』を押したら」80万人に発信できるとのこと。
もちろん、発信で大量動員しても立候補者がただちに当選するというわけではない。でも、なんだか『いいね』。
記事では他の事例もあげているのだけど、要するに立候補する人間の知名度ではなく、『いいね』者の知名度があれば、とりあえず表に立てるということ*1
もちろん、同様のシステムは過去あるいは現在にもあった。たとえば石原氏関係の人間が立候補したときに、所謂石原軍団の面々が応援演説に駆けつける。
そして、男女を問わず「キャー!キャー!」。そのノリのまま人々が立候補者に投票するシステム(?)*2
ん?これのネット版ってことで「伊藤」も『いいね』なのかもしれない。でもさ、石原軍団のそれは非常に稀なケースだと思うし(もちろん稀だから良いというわけではないけど)、こちらはなにしろモニターで80万人の動員力だよ?
なんだか、ロングテール*3のテール部分が、「人為的」な核爆発で隆起するような感じがする。個人的にはこんなネットが世界を変えて欲しくない。
冒頭に掲げた詩。これ全文を読めばわかると思うんだけど、ここまで書いてきた私の意見と真逆を唄っている(と思う)。でも、陰でチャクチャクしている人間たちは嫌だ。みんなで言い争って勝負してほしい。
ネットというのは怖ろしいものだなってあらためて思った。
(参照)全国民に専用サイト開設構想 自民IT戦略案
これ、完全にマグロネタだろうと思ったら共同通信の配信記事だった。びっくりだ。

(付記)
文中で「動員」「動員力」という表現を使っているけれども、これ比喩です。

*1:(追記)手直ししていて思った。エントリの論旨を逸脱するけれども、立候補者自身が知名度「だけ」で勝負するというのも似たようなものかなって。この辺の線引きは難しいな、というか自分の中でも整理できていない。

*2:もちろんノリで投票する人たちばかりではないだろう。

*3:完全に死語になった感じだね。