けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 天文学者の部屋

先日、近所のマンションが売りに出されていたので、内覧してきた。もちろん買うつもりはなく、ましてや買うカネがあるわけでもなく、売出し価格は天文学的な数値であり、私は天文学者ではないので購入とかまったく関係ない話。
ではナニゆえに内覧してきたのかというと、私は部屋の間取りとかが大好きでね。

間取り百年―生活の知恵に学ぶ

間取り百年―生活の知恵に学ぶ

内覧。販売資料やなんかが整然と並べてある小さな台に、マルボロ煙草とライターが整然と置かれていて「おい!煙草くらいスーツのポケットに入れておけや!」と思いながら、なんかフレンドリーな担当者でおもしろかった。
さて、リビングルーム。入り口から覗くと、なんだかカッコ酔いフローリングだぞ、と思い踏み込んでみると「ぐにゃ」と足に不安感。ん?踏み込み足の力点重量を軽くすると(要するに足をフローリングから離すと)、「ぽにょん」て軽いバネに弾かれるような浮遊感。
マルボロ担当者に尋ねてみると「いやあ、木製のフローリングはマンション内で禁止されているので、絨毯の上にパネル状のものを敷き詰めているらしいんですよ」。
おお!なんと貧乏臭いこと。近代以前はもともと板敷き(フローリング)が庶民の生活空間で、裕福な階級に属する人たちは板敷きの上に畳を敷いて住まうのがステータスだったんだぞ。それをぺらぺらのタイルを畳じゃないけど絨毯の上にぺたぺた貼るというのはなんなんだ?
日本の民家 (岩波文庫)

日本の民家 (岩波文庫)

それにしてもリビングルームの形状(?)はL字型なんだけれどもなんかねじくれていて、なんだか使い勝手が悪そうだったな。使い道のない四畳半くらいの空間がデッドスペースになりそうだぞ。みんなで人生ゲームでもやるのかしら?
さて、気を取り直して六畳間の和室を覗いてみた。おお!これは良かった。障子窓から差し込む薄日が春の訪れを感じさせる。そして幅一間の押入れがしっかりと付いていて、かつ懐かしき天袋まである。
天袋がある住居というのは、個人的には少年時代に棲んでいた官舎以来だな。話が横に逸れるけど、ボロくて狭い官舎。しかし、官舎群の敷地内には芝生や緑々しい木々がたくさんあって、よく楽しく野球をしていたなあ。まあ、最近では芝生が毟り取られて駐車場になってしまっているけれども。
さて、洋室を訪問。なんの変哲もない部屋だと思ったら、ウォークインクロゼットという奴が付いていた。これは便利そうでいいね。服をかけるバーはどうでも良いのだけれども、バーの上の部分に分厚い板がクロゼットの三方を取り囲んでいて、「この上に箱詰めした本をたくさん置けるぞ!」なんて想像したり。
結論:もちろん私には手の届かない部屋だったけれども、カネある人々もこの状態であの値段だったら買わないだろうな。
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和室空間の意匠を楽しむ本。
日本の家―空間・記憶・言葉

日本の家―空間・記憶・言葉

こういう類の本って、工学院大学近くの丸善にたくさん置いてあったのだけれども(学生さんの学習資料としてだね)、しばらく前に撤退してしまった。とても残念だ。