けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 ぼくの伯父さん

伯母の法事。私が参列することは許されなかった。伯父「家族葬にするから兄弟以外は来るな!兄弟の子供も来るな!」という厳しいお達し。

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伯父は、海軍特別攻撃隊"回天"の基地に配属されていたんだって。出撃前に終戦。しかしながら軍人教育(善悪はわからない)を身につけられていて、このたび「兄弟の子供も来るな!」ってことが、一族郎党に厳命されたそうな。
これで話は終わりなんだけれども、別の伯父夫婦が遠方より至りて「飯でも食べようよ!」ということで、私を含めた「甥っ子」(子供じゃないけどね)が呼ばれ、インド人さんがやっているカレー屋で飯を食った。
ブルーハーツがテレビ初出演のとき、古舘伊知郎「インディーズからメジャーになってどんな気持ちですか?嬉しいでしょ?」ヒロト「インド人のことはよくわかりませんね〜〜」とテレビ世界を斬殺した「インド人」さんの人々(というか兄弟)がやっているカレー屋さんで飯を食った。
さておき。私が甥っ子や姪っ子と接しているのとは、ぜんぜん世界が異なり、私は伯父さんという人種をほとんど知らなかった。生活の距離が遠いということもあったのだろうけれども、それ以上に縁が遠くて知らなかった。
遠方からやってきた伯父は、ビールをクイクイと飲んで嬉しそうだった。彼は夫婦で遠距離バスでやってきて、再び遠距離バスで遠方に帰るんだってさ。金には困ってないんだろうけれども、意固地な性格らしい。安けりゃいいだろうって。
彼は昔、今でいう商社でばりばりと働いていたそうな。その頃の名残りで、いま流行の箱型のがらがら転がして、道行く人の足元を蹴散らすバッグではなくて、礼服を薄っぺらなガーメントバッグにクルクル丸めて放り込み、リュックサック(というか頭陀袋みたいな感じ)に旅行品を詰め込んで遠方に帰っていった。
想像をめぐらすと、なんだか素晴らしい時代だったんだな。貧しい時代の日本の商社員が、かつかつと世界に入り込もうと必死だった時代。頭陀袋を担いで日本を売りこもうと必死だったのかな?
私は襟を正して、遠距離バスに乗ってガーメントバッグクルクルなおじさんになりたいと思った。とりあえずバスおじさんたちのために取っておいた部屋で甥っ子と寝る。