流されるような怠惰な生活を送っていたことで、体が大きくなってしまった。簡単に書けば、デブになった、ということ。
社会復帰をするにあたり、スーツを新調した。今まで、ベストフィットだったスーツたちが、軒並み着用できなくなってしまったのだ。腹をこごめて無理に着用して、腹の力を抜くと、その瞬間にブチンッ!と敗れてしまう、というレベルを通り越して、腹をこごめても着用できない。
スーツを新調するときに感じる勢いのようなものは、感じられない。敗北感が腹の底からこみあげてくるだけだ。自らの身体に対する嫌悪。自らの生活に対する屈辱。まったくもってだらしない。
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とりあえず準備は整った。