けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 妖怪ビョン

約一年前のあの時と同じく、妖怪になる前のステキンさんとの逢瀬を思い出だした夜。

幻影というのは、自らの心中の妄想がある種結実した(と信じ込む)形だということは、私の脳みそにビンビン刻まれている感性である。しかしながら、幻影をこなたに見たとき、幻影が妄想を飛び出して、我が身に襲いかかる恐怖に打ちひしがれるということは、私のビンビンの感性外のことであり、非常に戸惑う。というか、ブッチャケ本能の仕業であろう、なんてな早々しくも逃げ口上。

すなわち、過去に「幻影」として流した、あるいは食い尽くした心象風景が、ビョンビョンと飛び出してきて、私は危うく、それなる妖怪ビョンに絡み取られてしまうところであった。危機一髪。男子畢生の危機。それほどまでに、妖怪ビョンの強さは、私の弱さに喰らい付くというただ一点において、強さを発揮するビョンであり、金輪際ビョンしたくないと思う。私の弱さ。

私は、妖怪ビョンに遭遇したことにより、私自身の失われた十年を捨て去り、私自らがドドンと走り出そうとしたあのときのことを、未だに実現できていない、ような気がする。そして、そんな気がすることを強く思い出した。梅雨らしき夜。