けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 佐々木俊尚氏の2ちゃんねる考察

次世代ウェブ  グーグルの次のモデル (光文社新書)さて、ネット関係の新書を次々と刊行されてノリノリな人がいますね。そうです、佐々木俊尚さんです。先日本屋の平台には、「次世代ウェブ」(光文社新書)が天を突く様で並べられていました。そして、帯の惹句が凄かった!web3.0がドウタラコウタラ。私の脳裏に、「どこまで行くの、ぼくたち今夜ぁ〜〜♪」なんてな曲が鳴り響いたものですが。

さて、佐々木氏は、ネット世界のご意見番との地位をチャクチャクと確立されているようで、雑誌などでも寄稿されているようです。私は、敏腕不動産ブローカーでもありますので*1、「不動産熱狂」という文字が躍っていた「エコノミスト07.2.20号」はもちろん購入して、当該特集を耽読しました。

その号には、「ネットvsリアル(原文ママ)」という名で、2ちゃんねるについての動向も結構なページを割いて特集されています。そこに、件の佐々木氏が「2ちゃんねるの言論は膨大なノイズの上に成り立っている」と題して、寄稿されていました。抜粋して紹介してみましょう。

web2.0の世界では、良質な情報を収集するために母集団がある程度大きくなることが必要であって、最初からノイズを排除して母集団小さくしようとすると、結果的に情報全体の質が低下してしまうと指摘されている。ノイズを排除してはならないのだ。(略)2ちゃんねるのもう1つの特質である匿名性についても、我々は「匿名は卑怯ではないか」とステレオタイプに批判するのではなく、もっと真摯に向き合わなければならない時代に来ている。匿名による誹謗中傷は批判されるべきかもしれないが、しかし一方で、匿名だからこそ属人的に批評されるのではなく、その発言の中身だけを評価されることが可能になるというメリットも存在する。(太字は引用者)

賛否あると思いますが、私は太字部分に首肯しました。そして、佐々木氏は深くは触れていませんが、ネット全体において情報は溢れかえり、個人的には飽和状態なのではないかと思っています。例えば、立派な体裁を取っているブログ(例えば、ここですね)にしても、情報の受け取り手にとっては、情報の真偽、あるいは書き手の恣意性を読み、咀嚼しなければならない。

そういう極めて当然の姿勢を「便所の落書きだ」「ゴミためだ」と表象される2ちゃんねるが、私たちに注意を促しているのではないでしょうか?

私は、ゴミ箱の中にも使える物はあると信じています。*2

*1:ここは、後段で触れる「情報の咀嚼」に繋がります。

*2:先日、捨てられた本の束から、昔の山岳ガイドブックを見つけて、昔日の山道を旅したものです。