けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 The Timers「復活!!」:煽りの向こうにある誠実

復活 ザ・タイマーズ

復活 ザ・タイマーズ

「復活!!」と題されている通り、デビュー作「ザ・タイマーズ」(1989年11月8日発売)*1以来、五年ぶりの作品である。1995年4月26日発売。

アルバム「ザ・タイマーズ」は、衝撃的である。と、よく言われるし、私も直ぐに発売禁止になると思い、少ない金をヤリクリして購入した。一曲、極めてキワドイ歌詞の曲が収録されているのだ。

たしかに、衝撃的ではあった。しかし、それは歌詞の面における私の情動であり、一般的な評価ではなかっただろうか?たしかに、個々の楽曲は良く、アルバム構成も始まりと終わりという物語性があり、文句は付けようもなかったのだが。しかし、胸に響き渡るアルバムであったかというと、実はそうでもなかった。

・・・という事情もあり、アルバム「復活!!」の存在を最近まで知らなかった。で、2006年、発売から10年経った今、購入して聴いている。アルバム「ザ・タイマーズ」とは、まったく重さが異なる。重量級のサウンドが、胸を圧迫するといっても過言ではなかろう。「ロックン仁義」を聞き比べると、一聴瞭然である。

実は、このアルバム「復活!!」は、ライブ版である。聴くまで知らなかった自分が恥ずかしいのだが。RCサクセション*2は、ライブバンドである。いや、私は彼らのライブを観たことはない、残念ながら。しかし、CD化された音源を聴くことの意味においてライブバンドだと感じるのだ。これについては、いつか書く。

さて、「復活!!」である。ライブ版であり、臨場感が溢れており、vo.ZERRYが聴衆を煽る。「満足してんのか?ああん?どうなんだ!!」とかね。まあ、全体的に「煽りバンド」であることも「売り」であるわけで、当然なんだけど。それが、激しいのなんのって。煽り好きの私には堪らないアルバムですわ。

しかし、アンコール一曲目「まわりは罠」を始める前の「だまれドブス!黙って聴けや!」なる罵倒。これは、煽りではなく、vo.ZERRYの本音だろう。何故なら、始まるのは、バリバリのデルタ・ブルースbyスライドギター。これが、カッコ良いのなんのって!「売り」である煽りを離れたサウンドとしてのザ・タイマーズである。

そして、アルバムの最後は「サヨナラはしない」。優しいメロディに乗って歌われる優しい歌詞。

もうすぐ 春が来るよ
がれきの街に 花が芽を吹くさ
泣いたりはしない これ以上は
ある日 雨が 僕を濡らしても

この一曲のためにだけでも、このアルバムを購入する価値があると思う。

(本稿以上)

<<参考リンク>>
http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20061126/1164498488
http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20061202/1165019192
■タイマーズ(wikipedia)
http://www015.upp.so-net.ne.jp/hillbilly-bops/PC_index.html

*1:表記は、タイマーズだけど、ザ・タイガースのもじりであり、アルバムの中では、ザ・タイマースと歌われている。豆知識。)

*2:ザ・タイマーズは覆面バンドであるが、忌野清志郎のディスクガイド地球音楽ライブラリー 忌野清志郎に、ザ・タイマーズも記されていることから、ここに書いても問題はないと考える。