読了日:2022年5月28日(土)
読書経緯:所蔵
書誌情報:2013年2月 東京創元社
<感想>
「福家警部補の挨拶」「再訪」につづく第三作目「報告」。いずれも短編集。
おはようございます。
大倉崇裕「福家警部補の報告」読了。
コロンボや古畑任三郎系統の倒叙物短編集のシリーズ三冊目です。
所収の第一話。指紋、手袋、ムニャムニャで決まりかと思ったら、そのアイデアを惜しげもなく捨てちゃう作者の豪胆さが見事です。
ここまで、ツイッターのベタ打ち。
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本作所収の第二話「少女の沈黙」が傑作。
やさしいやくざ者が、そのやさしさ故に犯行を自供しない。なぜか?
そして、誘拐されていた女の子も、やさしさ故に、目撃したであろう犯人をかばう。なぜか?
そんなやさしさ尽くしの物語。
ちなみに本シリーズは倒叙物なので、私が犯人を指摘してもネタバレにはならないのです。
あっ、肝心の副家警部補について触れるのも忘れていました。
しかし、これまた倒叙物の鉄則で、主人公は探偵や刑事ではなく、犯人なのです。
(本稿以上)