2012年6月6日付Newsweek日本版。キャッチは「腹黒いね!フェイスブック」。けっこう期待して読んだのだけど、紙幅も含めて、ちょっと甘いなっていう印象。
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2012年 6/6号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2012/05/30
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フェイスブック騒動について書いてみる。
まずは、IPO直前を時系列でまとめてみた(上記Newsweek及びインターネット上のニュースサイトを参照)。なお「」内は上記Newsweekより引用。
9日:SECに登録書類S1の修正版を提出「曖昧な表現ながら先行きの業績悪化を示唆する修正」
9日、10日の両日:21人のアナリストに対して情報を提供「修正版S1よりも詳細な情報」
上記両日以降:上記「詳細な情報」を受けて「アナリストたちは業績見通しを下方修正し、一部の有力な機関投資家にその旨を伝えた」・・・(A)
15日:公募価格引き上げ(38ドルへ)・・・(B1)
15日:GMは15日、広告出稿をやめる方針を明らかにした(ロイター通信)
16日:売出株数25%増加(4億8440万株へ)・・・(B2)
16日:「数人の内部者が売却株数を積み増している」「フェイスブックに多額の投資を行っていたヘッジファンドが、売り出し予定株数を300万株から2400万株(持ち株の約半分に当たる)の放出を決めた*1」
18日:IPO(価格:38ドル、株数:4億8440万株)
(A)により個人投資家との情報格差が生じてしまったということがけっこうな問題になっている。
私はそれ以上に、(A)「詳細な情報」から「アナリストたちが業績下方修正を機関投資家に伝える」という事態の中で、(B1)及び(B2)が行われたっていうことが凄いなあ、と思った。
結局、キーになる(A)が表沙汰にならなければ、いずれの問題も顕現しなかったということなんだろうね。ここで掲げた問題に限っては。
−−−
さて、すったもんだでIPOしたフェイスブック。上場後の株価は崩落しているみたい。
米フェイスブック株、1週間で16%下落
Newsweekの別記事より引用。
株式を上場した以上、増収・増益を期待するウォール街のプレッシャーにさらされる。
つまり、なんとかしないと追い込みかけられちゃう事態。これに対してNewsweekは以下の4つの方策を予想している。
会費(実現可能性4段階中1(以下同様の表記))、決済サービス(4)、動画(2)
さて怖ろしいのは次の予想。
ユーザー分析(実現可能性4段階中3!):ユーザーに関する膨大な量の情報を持っており、(略)これらのデータをそのまま企業に売れば、広告主を引き付けるために使うより、もっと稼げるかもしれない。
(太字化は引用者)
なんだか凄いことをさらりと書いちゃってる。というか前述(A)の顕現みたいなことがなければ、さらりとやってしまいそう。あくまで素人考えだけども。ああ、こわいこわい。