けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 悲しき終焉について。

今朝、通勤途上に産経新聞を読んでいて驚きました。インターネット上でも報じられているので、引用してみましょう。

「イミダス」「知恵蔵」休刊へ ウェブ版として存続

最新の用語や時代を読み解くキーワードを解説した年刊の用語事典「imidas(イミダス)」(集英社)と「知恵蔵」(朝日新聞社)が、現在発売中の2007年版をもって休刊することが決まった。(中略)だが、インターネットが普及し、手軽に情報検索が可能になったことから、発行部数が年々減少。「イミダス」は創刊号は114万部近い発行部数を誇ったが、07年版は14万5000部。「知恵蔵」も創刊号は95万部を売り上げたが、07年版は13万部にとどまっていることから、休刊が決まった。

うーん。「インターネットが普及し、手軽に情報検索が可能になったことから」という言葉が悲しいです。で、上記引用記事の元ネタの産経新聞紙面では、掘り下げて、記事を膨らませていました。引用しましょう。

紙媒体を"見限った"2誌に対して、紙媒体を信じた「現代用語の基礎知識」に成算はあるのか。「ネットには責任の所在のはっきりしない匿名の情報が多い。専門家が解説し、信頼性の高い事典は、まだまだ価値があると再認識している」と清水編集長。
産経新聞、平成19年9月6日「ウェブに特化・・・「イミダス」「知恵蔵」休刊」)

うむ、正論ですね。しかし、状況認識が甘いと思います。例えば、ネットじゃない紙媒体でも、匿名じゃない顕名情報でも「フラット革命」のような「恣意性」に溢れている(と思われる)情報は、世の中に氾濫しているわけで。

いや、「フラット革命」が嘘の情報の塊である、と書いているわけではないですよ。一つの事実(と読者に思われる状況)を語るには、さまざまなテクニックがあるということ。それは、「フラット(略)」で佐々木氏が勝どきを上げている「男」と「男性」の表記方法の差異に、露骨に表れているわけです。

・・・そんなことはドーデモいい。

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さて、前述、清水編集長が熱く述べるくだりに、私はグッときました。

清水均さんは「あくまで『現代用語の基礎知識』は紙媒体が主力」と語る。「『現代用語の基礎知識』はデータベースではなく雑誌。一語見たついでに関連後を読むことで、それらが息づいている時代背景を読者に理解してもらうのが眼目です。
(太字化は引用者)

事物を横断的に観察し、思惟できること。それが、広辞苑や読んでいて楽しいコウビルト英英辞典なんかの醍醐味だと思います。

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余談ですが、

もの凄く表現力ある人が細かく描写しても、本人が体験した抜け殻くらいしか説明できないのでは?

という文章をネット世界で見つけましたが、想像力と実写の境に、かろうじて生き残っている(というのかなあ?)のは、一人の著者が知ってか知らずか、自然と体系化した一連の書物なのではないかな。

日々更新される情報(例えばブログ)にはない、想像力の入る余地が大いにある、それがブンガク者たちが物し、残した財産だと思います。ドストエフスキーとか、岡田昇とかね。