けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 沖方丁「天地明察」(角川文庫):暦、そして寿命

読んだ。

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

泣いたわけではない。胸に弾丸を打ち込まれて死んでしまうという刹那的な一瞬でもない。生きることに向かい合って、まこと対峙するということだろうか?眼をつぶり真夏の太陽を網膜に感じる。多分。
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購入日は2012年5月31日(木)。完全無血の積読本である。数ページ読んだっきり放置していた。なぜか?本年第一の収穫本であることを確信していたから。読むのがもったいない、いわば「戦闘的」な積読*1
さて、本書。本屋の平台に山積みされ、映画化決定、そしてなんと「天地明察」日めくりカレンダ登場!(暦の話でもあるからね)。それにしても凄いな。横溝正史を大々的にブームにした角川商法ここにあり、って感じだね。
と俄然注目を浴びているということもあり、有名無名を問わずなブロガーさんたちがエントリを書いているだろうし、私には書くことがない。引用してみる。

暦は約束だった。泰平の世における無言の誓いと言ってよかった。
”明日も生きている”
”明日もこの世はある”
人と人とが、暗黙のうちに交わすそうした約束が暦なのだ。この国の人が暦好きなのは、暦が好きでいられる自分に何より安心するからかもしれない。

泰平の世にあることを喜び、それに我が身を託する暦。明日もこの世はある。

人には持って生まれた寿命がある。だが、だからといって何かを始めるのに遅いということはない。(略)体力的にも精神的にも衰えくる年齢にあって、少年のような好奇心を抱き続け、挑む姿勢を棄てない。

限られた寿命。私は何処に向かうのか?挑む姿勢を棄てないでいられようか?

*1:ちなみに単行本発刊のときにも、新聞の書評で紹介されていて気にはなっていた。