けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 高千穂遥「ワームウッドの幻獣」(ハヤカワ文庫)

クラッシャージョウ・シリーズ第9作目。良い意味での冒険活劇だね。
「私のようなおっさんが読んでも良いかな?」と誰かに尋ねたくなるような、ある意味、ジュヴナイルだけれども読んでしまった。しかも、おもしろかったので一息でね。
クラッシャージョウ・シリーズが、続いていたのだと気がついたのは、本書を店頭で見つけたとき。奥付を見てみると、

2009年9月25日 発行

とあるが、

本書は2003年10月に朝日ソノラマより刊行された作品に加筆・修正したものです。

とも記述されており、初出は2003年。Amazonさんで引っ張ってこれる。

で、ソノラマ文庫は、

ソノラマ文庫(Wikipedia)
ソノラマ文庫(ソノラマぶんこ)は、1975年創刊のライトノベルを中心とした文庫レーベル。朝日ソノラマが出版していたが、同社が2007年9月末を以て廃業、会社清算手続きに入ったため現在は朝日新聞出版刊の朝日文庫・ソノラマセレクションやソノラマノベルスレーベルに引き継がれている。

高千穂遙の『クラッシャージョウや、菊地秀行の『吸血鬼ハンターD』、笹本祐一の『ARIEL』などの人気シリーズを擁した。
(太字化は引用者)

いろいろと引き継がれているようで、是非とも「戦国少年隊」シリーズを復刊して欲しい。

さて、本作。いきなり衝撃的な殺戮場面で幕が上がる。感覚的には、ホーガン「星を継ぐもの」を連想してしまった。で、すぐに、ジョウ・ファミリーの明るい光景に場面転換。この辺りは、ジョウ・シリーズの形かな。

で、魅力的なガジェットがたくさん登場して、冒頭の謎も解明され、そして・・・。こんな終わり方になるのかあ、と驚き感動する幕切れ。

少し引用してみよう。

「俺たちのいう信頼の構築とは、誰かのために望んで心をひらき合うということだ」低い声で、ジョウが言った。
「相手のために、心をひらく。相手を信じて、自分のすべてをさらけだす。そういう行為によって、人間は孤独から脱する。ひとりで生きているのではないという実感を得る」

くぅ!痺れるね。
これは、あるものを評した言葉なのだけれども、本作を通じての結語ともなっている。いわば、ダブル・ミーニングという奴かな。もし、読まれる方がいらっしゃったら、この辺りを感じ取ると深みが増しますよ。

さて、シリーズ10作目も年内に読もう。