けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 2017年_本、読み初めについて。

書いた。
けろやん。メモー2017年_音楽、聴き初めについて。 
続いて、今年の読み初めについてメモしておこう。
1.ディック・フランシス「不屈」(ハヤカワ文庫)

不屈

不屈

ディック・フランシスについては、過去にも書いたことがあると思うんだけど、中古モノで拾っては読んでいる。しかし、その競馬シリーズは30冊近くあるので、未読のものもいくつか残っていて嬉しい。読んだ本については忘れっぽい私なので、再読でも楽しいんだけど、やっぱり初読の楽しみは格別。
本作はシリーズ屈指の名品。主人公とその相棒のやり取り(絆)が素敵だな。ただし、主人公が終始一貫して強い。私は、主人公が精神的に窮地に陥って、再生する小説が好きなのでそこが難点。
書いた。
けろやん。メモー今野敏「疑心−隠蔽捜査3」〜正論の人、惑う
2.橘玲マネーロンダリング」(幻冬舎文庫
マネーロンダリング (幻冬舎文庫)

マネーロンダリング (幻冬舎文庫)

マネーロンダリングについての技巧の描写は怖ろしく精緻。これほどまでにマネーロンダリングを、現実的にそして緻密に書いた小説は寡聞ながら知らない。そして、その専門的な話を抜きにしてもミステリ、あるいは冒険小説としても楽しめる。
3.赤川次郎「幽霊散歩道」(文春文庫)骨休みに読んだ。赤川次郎は、本作品のシリーズ「幽霊列車」でデビューして、その当初の作風は軽い本格ミステリだったんだけど、この作品はよくある意味で(あるいは私の嫌いな意味での)赤川節全開。人が簡単に殺されすぎるんだよね。
4.中村文則「何もかも憂鬱な夜に」(集英社文庫
何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)

何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)

中村文則については「掏摸」を読んで幻滅(とまでは行かないけど)したので、その後の作品は読んでいなかった。そんなわけで古本落ちの本作品を手に取り、何気なく読み始めたんだけど、これが雷に打たれたような衝撃だった。この作品は、みんなに読んでほしいので詳しくは書かないけど、一部を引用してみる。

「お前は、もっと色んなことを知るべきだ。お前は知らなかったんだ。色々なことを。どれだけ素晴らしいものがあるのか、どれだけ綺麗なものが、ここにあるのか。お前は知るべきだ。命は使うものなんだ」

本作品は分厚い文庫本じゃないから、内容はともかくとして読みやすいので、是非とも読んでほしい。
5.レイモンド・チャンドラー「さよなら、愛しい人」(ハヤカワ文庫)

さよなら、愛しい人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

さよなら、愛しい人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

村上春樹訳出のチャンドラー。村上チャンドラーの「デビュー」作品である「ロング・グッドバイ」は、その抑制された訳出によって、私は結構(嬉しい)衝撃を受けたんだけど、本作品は訳出によっても春樹節が顔を出していて、少しがっかりした。
先日、知人と村上春樹は、そのオリジナル作品ではなく訳出で本領を発揮するという話になったんだけど、これには同感。レイモンド・カーヴァーなんかの訳出は良かった(ような記憶がある)。
それに対して、彼の作品の中で、かろうじて好きで何回も読み返している「ダンス・ダンス・ダンス」。最近、読み返してみたら、なんでこの作品をあんなにも好きだったんだろう?と疑問を抱いた。もちろん以上は私個人の好みです。
そうそう久しぶりに大長編モノが発表されるそうですね。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

ここまで色々と彼を批判してきたけど、私の中でオッカケ作家の一人なので、読んでみたいとは思っているけど、他にも読みたい本がたくさんあるので、今回は文庫落ちくらいまで手を出さないかな。
こんな感じな私の読み初めでした。