けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 前川修満「会計士は見た!」(文藝春秋):著者の熱い口調に茹で上がれ!

書いた。
けろやん。メモー株価落ちた日本死ね:1ドル90円台が目前。もめごとはイヤだよ(´・ω・`)・・・。 
読んだ。

会計士は見た!

会計士は見た!

早稲田駅前のマニアックな品揃えのあゆみBOOKSで購入して、喫茶店で読み始め、公園で新聞(競馬新聞じゃなくて日経新聞ね)片手に読み進め、行きつけの飲み屋でソフトドリンクを飲みながら。そんな感じで一気呵成に読了。
紹介しておこう。2015年11月に出版されたホヤホヤのケーススタディ(死語となっているかしら?)ちっくな会計読み物本。東芝ソニー、大塚家具、江守グループホールディングスなんかをまな板に乗せて、その決算を赤裸々に剥きだしてしまおうってやつ。
読み終えてから気がついたんだけど、この本の著者である前川修満って人は、こちらの人。
決算書はここだけ読め! (講談社現代新書)

決算書はここだけ読め! (講談社現代新書)

これ、すごいわかりやすい会計入門本だよ。これもお勧め。
「会計士は見た!」って本に戻ると、正直、会計の知識ってほとんどなくても読んで楽しめます。私は簿記の勉強を少ししていた経験があるので、キーエンス*1から順不同で読んだけど、最初(ソニー)から大塚家具や日産、コジマを経て、最後の東芝に至れば、逆にちょっとした会計の匂いを感じ取って満足することもできそう。
さて、冒頭の先日書いたエントリに触れる部分が本書に書いてあったので引用してみよう。

上場会社のおよそ二割が、2014年度に過去最高益を記録したとのことです。(略)増収増益の好決算が相次いだ結果、株価も好調となり、日経平均は15年ぶりに2万円台を回復し、(略)ベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げ率は2.59%となりました。これは1998年以来17年ぶりの高い伸びです。
(太赤字化は引用者)

2014年度というと遠い感じがするけど、「年度」ということで2015年の春の決算、すなわちちょうど今から一年前の経済状況を活写しているよね。
で、1998年。出てきたでしょ?
私の書いた1997年恐慌ってここから、火の手が上がり「もう終わるだろう・・・もう終わるだろう・・・」とみんなが思いながら、20年近くの長きに渡り私たちにからみついて離れなかったやつなんだ。
・・・と、いつもの自分語りになっちゃったんで、紹介した本の中の熱い語りを引用して終わりにしておこう。

p.189 キャッシュ・フロー計算書は粉飾が難しい
会社というのは、第一にお金を稼がないといけません。それができているかどうかを示すのがキャッシュ・フロー計算書なのです。
日本の経済社会は、この四半世紀におけるバブルの崩壊過程の中で、いくら資産が増えても、それが価格下落リスクの大きい在庫であったり、回収可能性の怪しい売上債権ばかりであったりしては、心許ないということを痛いほど思い知らされました。
そして、事業できちんとお金を稼いで、それをもとに借金を返済しないと経営が苦しくなるということを、身をもって学んだはずです。
借金返済の財源となるのは、事業で稼ぐお金、つまり、フリー・キャッシュ・フローなのです。そのような経済背景があったがゆえに、キャッシュ・フロー計算書が導入されたのです。*2
だからこそ、実業界に身をおく人たちは、キャッシュフロー計算書を軽視してはいけないのです。
(太赤字化は引用者)

*1:まな板に載せられている会社の一つ。私が大卒の新卒で就職活動をしている時に、「入社一時金30万円をくれる」っていうので話題になっていたのを思い出して、そこから読み始めた。「バブルの季節は遠い昔に過ぎ去ったのに30万円ってなに?」の謎も解けたよ。

*2:キャッシュ・フロー計算書は2000年に導入された(引用者)。