- 作者: 三津田信三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/15
- メディア: 文庫
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で書いた本を読み始め、読み進み、読み終えた時と同じような流れ。うーん、最近、オッカケ作家の本で、疲れることが多いな。
物語のツカミ。昼間も暗き濃密な緑が覆う地にポツンと建つ洋館に主人公が住み、出版社の編集業務の片手間にミステリ(ホラー)作品の執筆を始める。国分寺崖線とか、素敵な描写が出てくる。
で、現実の生活と執筆する作品世界が、平行的に進むのだけども、両者が交わり、ホラー、ホラー!この臨界点が、物語の中途で(伏線として)示唆されていて、私は、どんよりしながら読み進み、ホラーに到着。うへー。
なんとか物語を読み終えて、あとがきを読んでみると、
文庫書き下ろしなのかな?でも、帯には、
幻のデビュー作、待望の文庫化!
と書かれているので、文庫化されたものっぽいな。
ということの「謎」が判明した。単行本として発表されて、その後「幻想文学」に掲載され短編(断章?)が、作品末尾にくっつけられて「文庫化」されたということみたい。
しかし、著者の活字化された「デビュー作」は、編集長鮎川哲也の元、公募された短編ミステリを所収する「本格推理」(光文社文庫)の一編。・・・ということは、本作品の本文中に記載されている。本作品は、そんなメタフィクションでもあるわけで。
まあ、自分で書いていて良くわからなくなっているのだけれども、
・http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20080523/1211490539
・http://d.hatena.ne.jp/kerodon/20071223/1198368097
という傑作につながる助走作品という感じかな。