けろやん。メモ

はじめまして。こんにちは。

 角間隆「赤い雪―総括・連合赤軍事件」:世代論の糸口になるかも?

赤い雪―総括・連合赤軍事件 (新風舎文庫)

赤い雪―総括・連合赤軍事件 (新風舎文庫)

倫敦橋さんのエントリの影響を受けて読了した。1972年の「あさま山荘事件」から始まるノンフィクション。購入した時は、連合赤軍のみを記述した本かと思ったが、その前段である「全共闘運動」あるいは、後段である「連続企業爆破事件」についても書かれている。それら一連の動向を俯瞰するには、非常に参考になる本だ。

しかしながら、本書の問題点は、著者の視点が定まらず、必ずしもノンフィクションとは受け止められないこと。すなわち、物語の文体で記述されている部分もあるが、これが「生存者」の手記、供述書からの引用であるか明記されておらず、ノンフィクションに、小説的要素が混入してしまっていること。スポンタ氏の言葉で書くならば、「ステークホルダー性の明示されない言説」とでも言えようか。同様の問題点は、多量なる文献を参考にしたであろう本書であるが、参考文献一覧がないこと。

後者は、大きな問題だと思う。①読者のこれからの読書への道筋を示さないこと、②参考した文献への軽視(著作権とか小さい話ではなく)。読者の一人の私としては、①が大きな問題点だと思う。入り口たる書に、参考文献一覧がないのは、ガ島通信士の言ではないが、旧世代紙媒体の悪癖の象徴であろう(いや、真面目に本当にそう思うよ)。

上記のような問題点を孕みながらも「2007年問題」の主役である団塊の世代が、どのような20代を過ごし、どのような世相を見ていたのか、という世代論を考える上でも参考になる本である。ただし、この本だけで、十把一絡げに考えてはいけない。下記の本等、同世代の人間が記した記録についても合わせて読むべき。世代論を考え、一般化の陥穽を避けるならば。

グランドジョラス北壁 (中公文庫BIBLIO)

グランドジョラス北壁 (中公文庫BIBLIO)


(本稿以上)

<<参考リンク>>
■全学共闘会議(Wikipedia)
■日本赤軍(Wikipedia)
■小西政継関連書籍
http://climbing.x0.com/konishi.htm

(追記、20:12頃)
Amazonスロットで思い出した。以下の文献も同世代の人々を描出した書。

長谷川恒男 虚空の登攀者 (中公文庫)

長谷川恒男 虚空の登攀者 (中公文庫)

ヒマラヤを駆け抜けた男―山田昇の青春譜 (中公文庫)

ヒマラヤを駆け抜けた男―山田昇の青春譜 (中公文庫)

狼は帰らず―アルピニスト・森田勝の生と死 (中公文庫)

狼は帰らず―アルピニスト・森田勝の生と死 (中公文庫)

最後の森田勝評伝については、某小説家がパクって、なんとか賞を受賞した。人物造形、エピソードは激似。表立っては、指弾された記憶は無い。でも、その小説も面白かったから、いいのかも知れないな。

(追記、12月12日、7:21頃)
倫敦橋さんのエントリから引用。

http://belena.blog70.fc2.com/blog-entry-248.html
角間隆「赤い雪 総括・連合赤軍
関係者の証言が多数出版されている今となっては「見てきたような嘘・小説」という評判も。
あの時代、どのように語られていたのかという証言として、逆に興味深いかも